アクアリウムを作る際には、エアポンプ、ろ過装置、ヒーターなどさまざまな機器が使われます。これらの違いを把握するのは初心者にとって少し難しいかもしれません。
そこで今回は、エアポンプの働きやエアレーションとろ過装置との違いに焦点を当てて解説いたします。
エアポンプとエアレーションについて
エアポンプは酸素を供給する装置です。一方、エアレーションとは、エアポンプやろ過装置を用いて水槽に酸素を供給する全体のプロセスを指します。
エアポンプとエアレーションは似た単語ですが、それぞれ異なる意味を持ちます。この違いを理解することで、混乱を避けることができます。
エアポンプの原理と役割
エアポンプは水槽内に酸素を供給するために設置される装置です。主に水中に酸素を送り込むのが役割ですが、ろ過装置を備えたエアポンプもあります。
このため、エアレーションとろ過の両方の機能を持つことがあります。エアポンプは水を吸い込み、それによって水槽内に酸素を送り込む仕組みになっています。
また、電力で動作し空気を水槽に送るタイプもあります。ろ過機能付きのエアポンプを使用することで、エアレーションと水の浄化を同時に行うことができます。
水槽内の酸素供給について
魚はエラを使って水から酸素を取り込みます。そのため、飼育環境において水槽内に適切な酸素供給が不可欠です。
自然の水には水面から酸素が取り込まれますが、これだけでは魚に必要な酸素量には足りません。そこで、エアポンプを使って水中に酸素を送る必要があります。
エアレーションとは
エアレーションは、エアポンプを用いて水中に酸素を供給する際のプロセスを指す言葉です。
アクアリウムにおいては、酸素供給の強さを示すのに使われ、酸素量が多いと水流も強くなります。そのため、エアレーションの強さを調整することがあります。
エアポンプとろ過装置の違いについて
エアポンプとろ過装置の主な違いは、エアポンプが酸素供給(エアレーション)に特化しているのに対し、ろ過装置は水質の浄化を目的としている点にあります。
市場に出ている多くのアクアリウム向けエアポンプには活性炭やろ過フィルターが内蔵されており、「ろ過機能付きのエアポンプ」と考えると分かりやすいでしょう。
一方で、ろ過装置は水槽内の水を綺麗に保つことを主な目的としています。エアレーション機能が加わるのは、ろ過後の水が水槽に戻る際に空気と接触して酸素を含むようになるためです。
この仕組みにより、エアポンプがなくても酸素の供給が可能になります。通常、エアポンプとろ過装置は一緒に使用され、特に大きな水槽では多くの酸素が必要となるため、強力なエアレーションが求められます。小さな水槽では、弱めのエアレーションでも充分なことが多いです。
エアポンプの特別な用途
ろ過装置がエアレーションの機能を果たすこともあるため、エアポンプが不要に思えるかもしれませんが、実際にはエアポンプが必要とされる場面は様々です。
たとえば、釣り人は移動中の魚のために簡易型エアポンプを携帯することがよくあります。家庭でのアクアリウムでは、水替えや清掃の際に魚を一時的に移動させる時や、新しい魚を迎える際の水合わせ、病気の魚の隔離や塩浴においてエアレーションが必要になることがあります。
エアポンプはアクアリウム機器の中でも頻繁に使われるため、複数持っておくことが望ましいです。
まとめ
エアポンプとろ過装置には様々な種類があり、混同しやすいですが、基本的にエアポンプは酸素供給に、ろ過装置は水質浄化に使われることを覚えておくと良いでしょう。
それぞれの装置を目的に合わせて適切に使用することで、問題は起きないはずです。