アクアリウムの美しいレイアウトを作る上で欠かせないのが流木。その使用にあたり、なぜ事前の準備が必要なのか、どのような方法があるのかをわかりやすく解説します。
自然のままの流木を水槽に入れると浮いてしまうことが多く、また水の色を変える成分が溶け出すこともあります。ここでは、そうした問題を解消する「処理方法」を紹介します。
あなたのアクアリウムのレイアウトをより良くし、環境を整えてみてください。
アクアリウムでの「アク」とは何か
アクアリウムでの「アク」とは、流木から水中に溶け出る特定の成分のことです。
これにはフミン酸やフルボ酸などの腐植物質が含まれ、水を茶色くする原因となりますが、天然由来で水生植物や魚には安全です。
アク抜き処理のメリットとデメリット
アク抜き処理方法を詳しく説明する前に、処理を行うことのメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリットとして流木のアク抜き処理をすることで、水槽の水が濁るのを防ぎ、流木が水面に浮かばなくなります。また、煮沸処理すると水カビの発生を抑える効果もあります。
しかし、処理によって流木からの腐植物質が減少し、魚や水草にとっての環境が変わることがあるというのがデメリットになります。
具体的なアク抜き処理方法
それでは、流木のアク抜き処理方法を見ていきましょう。
煮沸処理する
大きな鍋を使い、流木を沸騰したお湯で30分間ぐらい煮沸します。この方法は効果的ですが、専用の鍋が必要です。
水に浸け置きする
流木を水を入れた容器に沈めて放置する方法です。
放置する期間は1~2か月と時間は長くかかりますが、最も簡単な方法です。重しを使用して流木は浮かないようにし、水は2~3日ごとに交換が必要です。
重曹水溶液に浸ける
重曹を溶かした水に流木を浸ける方法です。アク抜き処理の速度を速めることができますが、その後はしっかりと真水で洗い流す必要があります。
流木の準備に最適なタイミング
アクアリウムに流木を導入する際、準備作業はセットアップの前日や直前が理想的です。
煮沸処理以外の方法を選ぶ場合でも、事前に日程を計画しましょう。煮沸後の流木は高温になっているため、植物を添える前にはしっかり冷却することが重要です。
処理の効果と良い環境の作り方
流木をアク抜き処理することで水が褐色に変色するのを防げますが、活性炭を併用するとさらに効果が高まります。
活性炭は残留する色素を吸着し、水をクリアに保ちます。使用方法は簡単で、フィルターに活性炭を入れて動かすだけです。
アク抜き処理後も色素が出続ける時の対応
ここまで紹介したアク抜き処理しても完全に消えるわけではありません。
水が少し茶色くなることがありますが、時間が経つと自然に透明に戻ります。色素の放出が気になる場合は、濾過槽に活性炭を加えて対処しましょう。
まとめ
この記事では、アクアリウムでの流木のアク抜き処理の重要性とその方法、さらにはその効果について説明しました。
事前の準備で、水の濁りを防げたでしょうか?透明な水での鑑賞は、アクアリウムの魅力の一つです。今回の処理方法を活用して、きれいな水槽を目指してみてはいかがでしょうか。