水槽の蓋!!その必要性と利点、そしてデメリットとは

アクアリウム

市販されている多くの水槽には標準装備として「蓋」が付属しています。しかし、実際に皆さんはそれを使用しているでしょうか?

近年、アクアリウム雑誌やカタログでよく目にするのは蓋のない水槽の姿です。「オープンアクアリウム」と呼ばれるこのスタイルが流行していますが、蓋は本当に不要なのでしょうか?

この記事では、水槽の蓋が果たす役割と、その利点と欠点について掘り下げていきます。

水槽の蓋、実際に必要か否か

水槽に蓋をするかどうかは、状況に応じて異なります。一言で必要あるいは不要と言い切るのは難しいのです。蓋にはそれぞれメリットとデメリットが存在し、飼育者の好みや水槽の設置環境によって、その必要性が変わってきます。

それでは、蓋をする際の利点と欠点について詳しく見ていきましょう。

水槽の蓋をすることの利点

水槽に蓋をすることの主な利点は以下の4点です。

  • 生き物の脱走防止
  • 水の蒸発の抑制
  • ホコリやゴミの侵入防止
  • 水しぶきの防止

生き物の脱走を防ぐ

水槽の蓋は、魚やエビなどが外に飛び出すのを防ぎます。特に活発に泳ぐ魚や水面付近を好む魚は、蓋がないと外へ飛び出す危険が高まります。

例えば、ハチェット魚やスネークヘッドなどは飛び出しやすいとして知られています。蓋を設置することで、これらの生き物が外に脱走するリスクを大きく軽減できます。

水の蒸発を抑える

水槽の蓋には、水の蒸発を抑える効果があります。

特に夏場や冬場は水の蒸発が多くなり、水位が下がりがちです。蒸発が進むと頻繁に水を足す必要が生じますが、蓋をすることでその蒸発をある程度まで抑制することが可能です。

ホコリやゴミの侵入を防ぐ

蓋をすることで、ホコリやゴミが水槽内に入るのを防ぐことができます。これらが入ると水質に悪影響を及ぼす可能性があるため、蓋は重要な役割を果たします。

水しぶきを防止する

また、蓋は水しぶきを防ぐ役割も持っています。

エアレーションや大型魚による水しぶきは、水槽の外側の床や壁を汚したり傷めたりする原因となりますが、蓋をすればこれらの問題を防ぐことができます。

水槽に蓋をするときの欠点

水槽に蓋を設置する際のデメリットには、以下のような点が考えられます。

  • 見た目の魅力が減少する
  • 照明の光が遮断される
  • メンテナンスが面倒になる
  • 高さが必要な水上植物の配置が難しい

それでは、これらの点を詳しく見ていきましょう。

見た目の魅力が減少

水槽に蓋をつけると、見た目が損なわれると感じる人もいるでしょう。

特に、デザイン性を重視したオールガラス製の水槽の場合、蓋を取り除くことでよりスタイリッシュに見せることができます。

蓋があると、上部からの視界が遮られ、全体の見栄えが損なわれることがあります。全体的なデザインを重視する場合、蓋は見た目のデメリットになり得ます。

照明の光が遮断される

水槽の蓋があると、照明の光が遮られてしまうことがあります。これにより、水草などへの光の供給が完全ではなくなることがあります。

特に冬場などは、蓋が曇ったり水滴が付着して光の透過が悪くなることもあります。水植物に十分な光を届けたい場合は、蓋を設置することを再検討する価値があります。

メンテナンスが面倒に

蓋がある水槽では、掃除やメンテナンスの際に蓋を開ける必要があり、手間が増えます。

餌やりの際も蓋が邪魔になることがあります。蓋のない水槽と比較して、メンテナンスがやや面倒になります。

高さが必要な水上植物の配置が難しい

蓋があると、水上に伸びる植物を配置するのが難しくなります。

テラリウムの流行とともに、水上葉や観葉植物を楽しむスタイルも人気ですが、蓋があると、水槽を越えて成長する植物を楽しむのが難しいです。スタイルによっては、蓋が不利になることもあります。

水槽の蓋が適した場面とそうでない場面

これまで水槽の蓋の利点と欠点を見てきました。

蓋の利点には、生体の脱走防止、水の蒸発の抑制、ホコリなどの侵入防止、水しぶきの防止があります。一方で、デメリットには、デザイン性の低下、照明の光の遮断、メンテナンスの困難さ、高い植物の配置不可があります。

蓋が特に有効なのは、脱走する恐れがある生体を飼育している時、水の蒸発が問題になる時、水しぶきが気になる時です。

それに対して、蓋を取り除くべき場面は、インテリアとしての見た目を重視する時、光の供給を重視する時、メンテナンスを簡単にしたい時、高い植物を楽しみたい時です。

それでも、脱走の可能性がある生体を飼育している場合は、上記の条件でも蓋の使用を検討すべきです。

状況に応じた蓋の有無の選択

この記事では、水槽の蓋のメリットとデメリットについて詳しく紹介しました。

蓋は生体の脱走を防ぎ、水しぶきを抑制する効果がありますが、デザインや光の供給に影響を及ぼすこともあります。水槽の状態やスタイルに応じて、蓋の有無を適切に選択することが重要です。この記事を参考に、水槽の蓋の使用を考慮してみてください。

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